野中 郁次郎¶
作成日:2022.1.11(火)、2022.1.11(火)
基本情報¶
野中 郁次郎(のなか いくじろう, 1935年5月10日 - )は、日本の経営学者。一橋大学名誉教授、カリフォルニア大学バークレー校特別名誉教授、日本学士院会員。 知識経営 の生みの親として知られる。1
英語で出版された『知識創造企業』は多くの賞を受賞し、今日までに28,000件の引用がなされている。『ハーバード・ビジネス・レビュー』にもその論文は掲載された。これ以外にも、多くの著作が英語で出版されており、アメリカで知られる数少ない日本人経営学者であるほか、近年中国などでも知られる存在となっている。
野中は当時躍進目覚しい日本企業に注目し、その知識のマネジメントに注目した。彼によれば西洋は形式知、東洋は暗黙知重視の文化を持っており、日本企業が優れているのは組織の成員がもっている暗黙知と形式知をうまくダイナミックに連動させて経営するところにあるとする。合宿や飲み会などの「場」を通じての暗黙知の共有、暗黙知の形式知化を促すコンセプト設定などが例として挙げられる。この暗黙知と形式知のダイナミックな連動を理論化したものに SECIモデル がある。
著書¶
以下の本を出版している。1
『組織と市場』(1974年, 2014年新装改訂版)千倉書房
- 『失敗の本質』(1984年)ダイヤモンド社(戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀との共著)。中公文庫(1991年)
太平洋戦争における日本軍の失敗をさまざまな筆者が分析した。
- 『知識創造企業』(竹内弘高との共著、梅本勝博訳)東洋経済新報社
日本企業の分析を通じ、「ナレッジ・マネジメント」を経営学の世界で広めた。知識に関するさまざまな哲学的考察から書き起こし、企業の商品開発などにおける知識の活用を分析。SECIモデルなど多くの画期的な学説を提唱した。
『知識創造の経営』日本経済新聞社
- 『戦略の本質』(2005年)日本経済新聞社、2008年 日経ビジネス文庫
『失敗の本質』の発展編。(戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀との共著)
『イノベーションの本質』(2004年)日経BP社(勝見明との共著)
『組織は人なり』(2009年)ナカニシヤ出版(平田透、磯村和人、咲川孝、成田康修、吉田久、坂井秀夫との共著)
『流れを経営する』(2010年)東洋経済新報社(平田透、遠山亮子との共著)
『イノベーションの知恵』(2010年)日経BP社(勝見明との共著)
『経営は哲学なり』(2012年)ナカニシヤ出版。英題:The Philosophy-Creating Company。
『失敗の本質 戦場のリーダーシップ編』(2012年)、ダイヤモンド社
『ビジネスモデル・イノベーション』 野中郁次郎・徳岡晃一郎編著(2012年)東洋経済新報社
『国家経営の本質―大転換期の知略とリーダーシップ―』(2014年)日本経済新聞出版社(ISBN 4532169232)(戸部良一、寺本義也との共著)
『知略の本質 戦史に学ぶ逆転と勝利』(2019年)日本経済新聞出版社(戸部良一・河野仁・麻田雅文との共著)