チャイナテック、中国デジタル革命の衝撃-評価3

作成日:2021.12.28(火)、変更日:2021.12.28(火)


読んだ後の感想

星5つ中の3

3時間程度をかけて全書を眺めた。細かい所は読み飛ばしたりした。中国のハイテック・デジタル業界に関して、浅く広く論じた。現在の中国のデジタル化を知らない読者にとっては新鮮であろう。しかし、記述する情報やデータは他文献からの参照のようで、著者自身の体験に基づくものではないため、やや学術的で固く感じる。そして、個々のテーマについてより深掘りして欲しかった。

ポイント

  • P40 リープフロッグ:ある技術やサービスに関して未成熟な社会が、最新の技術を取り入れることで、発展段階の過程を飛び越え、一気に最先端に到達する現象。

  • P69 画像認識:センスタイム(商湯科技)、顔認証技術:メグビー(旷視科技)

  • P226 現在、中国人の対日感情は、日本人が思っているより遥かに良好。

  • P227 2019年の日中貿易総額は約3407億ドルで、1992年の11.8倍、2003年の2.57倍。2004年に対中貿易総額が対米貿易総額を上回って以降、日本にとって中国は最大の貿易相手国。日本の輸出全体に占める中国のウェイトは、2003年の12.2%から2019年には19.1%まで拡大。中国にとっても、日本は米国につぐ貿易相手国。

amazon.co.jpでの評価

カスタマーレビュー

星5つ中の4、64個の評価

内容紹介

世界規模で急速に進展する経済のデジタル化はすでに私たちの行動や生活、社会経済に大きな変化を与えています。デジタル技術の進展により、その変化は今後、より一層大きくなることは間違いありません。

本書はその変化の源となる可能性が高い、チャイナテックの実像を正しく理解していただくことを目的にしています。手放しの賞賛や感情的な批判を棄て、中国の姿を客観的に見ることが極めて重要だからです。

デジタル技術の社会実装で世界の先頭を走る中国の姿は、今後の日本社会の変化を予想する上でもとても参考になるはずです。本書は、刻一刻とダイナミックに変化する中国の姿を的確にとらえるヒントとなり、チャイナテックを理解する一助となっています。

著者について

趙 瑋琳(チョウ イーリン)

株式会社伊藤忠総研 産業調査センター 主任研究員

中国遼寧省瀋陽市出身。2002年に来日。2008年東京工業大学大学院社会理工学研究科修了、イノベーションの制度論、技術経済学にて博士号(学術)取得。早稲田大学商学学術院総合研究所、富士通総研経済研究所を経て2019年9月より現職。中国の産業動向、特にデジタルイノベーションとその社会・経済への影響に関する研究を行い、プラットフォーマーやテックベンチャーなどの先端企業に詳しい。メディア寄稿・講演多数。著書に『BATHの企業戦略分析――バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイの全容』(日経BP社)。