敗者のゲーム-評価3¶
作成日:2021.11.30(火)、変更日:2021.11.30(火)
基本情報¶
以下の本(日本語版)を読みました。
読んだ後の感想¶
星5つ中の3
アクティブ運用より、インデックスファンドやETFへの投資を主張。投資プランを立て、資金を配分し、海外にも投資を分散させる。それらの観点には賛同できるが、情報がやや古い。
指数に関しては主にS&P500を例に挙げている。この本を書いた2013年当時は、まだ現在ほど指数(インデックス)やインデックスファンド・ETFの種類が少なかったであろう。今年発売した8th Editionがアップデートされていることを期待したい。
S&P500にしても、銘柄選定に厳しい基準があり、入れ替えも行われるため、その指数に関連するインデックスファンドやETFを選んだ時点で、ある意味でアクティブ運用かもしれない。
現在は多種多様な指数が算出されている。S&PのみならずMSCIなどの指数計算会社がある。業種毎の指数やESG関連指数も算出されている。現代での意味のアクティブ運用は、銘柄選びではなく、指数とその関連ファンドを選ぶことかもしれない。
ポイント¶
Cover: 市場平均利回りを上回る(=市場に勝つ)ことが極めて難しくなった今、最も簡単かつ結果の出る方法は、インデックスファンドを活用することである。
P3序文:本書の初版は1985年に刊行された。
- P4序文:初心者にオススメの投資本
P5序文:投資信託が長期的に市場平均に勝てない。インデックスファンドは過去10年間、投信全体の80%を上回る成績をあげている。
P6序文:オススメの運用会社:バンガード、TIAA-CREF(全米教職員年金・保険基金)。両社とも良質のファンドを最低限の手数料で提供。オススメの投資本の著者の中で、ボーグルはバンガードの創立者、マルキールとエリス(本書著者)はバンガードの理事会メンバー、エリスはTIAA-CREF理事会メンバー。
P6序文:2007年末時点において、インデックスファンドは全投信市場の5%強を占めるにすぎない。残りの95%はアクティブ運用。
P10序文:チャールズ・エリス(本書著者)は1999年から2015年までイェール大学財団基金 投資委員会会長。序文の作者はイェール大学財団基金 運用責任者 ディビット・スウェンセン(David Swensen)。Swensenは中国著名投資家張磊に投資を教えたらしい。参考:Dr. Swensenと張磊(中国語)
P62 単純なインデックスファンドは、その半分は国外投資を含むはずだ。国際的に最大限分散された、最小コストのファンドに投資すべき。
P63 インデックスファンドに代わるものとして、上場投資信託(ETF)がある。最初のETFは1993年にステート・ストリートが開発したもので、2013年現在の残高は1000億ドル。投信会社自身が販売・買い入れする投資信託と違い、ETFは証券取引所の特定のインデックスに従う、一定の株式グループに投資するもので、取引所の営業時間帯ならば、いつでも証券会社経由で購入・売却できる。ETFの方が一般の投資信託より運用報酬が安い一方で、取引時には証券会社の売買手数料がかかる。だから、定期的に投資する小口投資家の場合は一般の投資信託の方が有利な場合がある。
コストには業者間で大きな差がある。例えば、モルガン・スタンレーの伝統的なS&P500インデックスファンドのコストは、バンガードの4倍だ。ETFについても同様に、0.05%から1.6%までのコスト差がある。
一般の(課税)投資家にとって、ETFには若干の税務上のメリットがある。インデックスファンドはインデックスの変化を忠実にフォローするため、年間凡そ2%程度のキャピタル・ゲインが発生し、課税対象となる。これに対し、ETFはインデックスの変化による調整を行わないため、こうした課税問題はない。→理屈は理解できない!
amazon.co.jpでの評価¶
カスタマーレビュー
星5つ中の4.3、498個の評価
インデックス投資、時間分散。「ウォール街のランダム・ウォーカー」と比較されます。
内容紹介
全米累計100万部を超えるロングセラーの最新版。 プロ・アマ問わず幅広い投資家に向けたメッセージとして、時代を超えて読み継がれる運用哲学のバイブル。
出版社からのコメント
個人投資家にとって、なぜインデックス投資が優れているのか、そして時間を味方につける長期投資がどれほど効果的かを明快に解説した世界的名著。 NISAやiDeCoなどで積立投資を始める人はもちろん、すでに投資をしている人にとっても有益な内容です。
著者について
チャールズ・エリス Charles D. Ellis
1937年生まれ。イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀のMBA、ニューヨーク大学でPh.D.取得。ロックフェラー基金、ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットを経て、1972年グリニッジ・アソシエイツを設立。以後、30年にわたり代表パートナーとして、投資顧問会社や投資銀行などの経営・マーケティング戦略に関する調査、コンサルティングに腕を振るう。2001年6月代表パートナーを退任。現在、ホワイトヘッド財団理事長。この間、イェール大学財団基金投資委員会委員長、米国公認証券アナリスト協会会長、バンガード取締役などを歴任。『キャピタル』『チャールズ・エリスが選ぶ大投資家の名言』『イノベーターは死なず』『ゴールドマン・サックス(上・下)』『投資の大原則』(共著)など多数の著作がある。
鹿毛 雄二 (かげ・ゆうじ)
ユージン・パシフィック代表。1964年、東京大学経済学部卒業。同年、日本長期信用銀行入行。長銀インターナショナル(ロンドン)副社長、長銀ニューヨーク信託社長、日本長期信用銀行証券運用企画部長などを経て、1993年長銀投資顧問社長。2000年UBSアセットマネジメント会長兼社長。2003年しんきんアセットマネジメント投信社長。2005年4月より2009年3月まで企業年金連合会常務理事。
amazon.comでの評価¶
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4.5 out of 5, 67 ratings
出版社からのコメント
Charles D. Ellis founded Greenwich Associates, an international strategy consulting firm that serves leading financial firms in more than 130 professional financial markets around the world. Ellis is now an investing consultant to large institutional investors, government organizations, and high-net-worth families, and works as a director of several small businesses.